マスタードの歴史とは?古代ローマからホットドッグまで、“世界最古級の調味料”の物語
ハンバーガー、ソーセージ、とんかつ――。
現代では当たり前のように使われている
「マスタード」
しかし実はこの調味料、
2000年以上の歴史
を持つ超古参グルメでした。
しかも古代ローマ皇帝や中世騎士たちも愛していたと言われています。
今回は、知られざるマスタードの歴史を紹介します。
そもそもマスタードとは?
マスタードは、
カラシナの種
を原料とした調味料です。
現在では、
• イエローマスタード
• ディジョンマスタード
• 粒マスタード
など多種多様。
独特の辛味と香りが特徴です。
起源は古代文明時代
マスタードの歴史は非常に古く、古代エジプトや古代インドでも存在していたと言われます。
特に古代ローマでは広く使用されました。
ローマ人は、
• 肉料理
• 魚料理
• ソース
にマスタードを活用。
さらに薬としても利用していました。
古代ローマ人は“辛味好き”だった
古代ローマ人は刺激の強い味を好みました。
有名なのが、
• ガルム(魚醤)
• 胡椒
• ハーブ
• マスタード
など。
特にマスタードは保存性も高く、肉料理との相性が抜群だったため人気が高かったようです。
“マスタード”の名前の由来が面白い
実は「mustard」という名前は、
“ムスト(ぶどう果汁)”
に由来しています。
古代ローマでは、
すり潰したカラシ種+ぶどう果汁
を混ぜていたのです。
ラテン語の
“mustum ardens”
(燃えるぶどう液)
が語源になったと言われています。
つまり、
「辛いぶどうソース」
みたいな意味だったのです。
中世ヨーロッパで大流行
中世になるとマスタードはヨーロッパ中へ広がります。
理由は単純。
肉の臭み消し
です。
当時は冷蔵庫がなく、保存肉はかなり臭いが強かった。
そこで、
• マスタード
• 香辛料
• ハーブ
が重要でした。
特に騎士や貴族の宴会では大活躍。
フランスが“マスタード大国”になる
マスタード史で特に重要なのがフランス。
中でも有名なのが、
ディジョン地方
です。
ここで発展した
ディジョンマスタード
は世界的名物になります。
特徴は、
• なめらか
• 香りが強い
• 上品な辛味
。
フランス料理との相性も抜群でした。
ナポレオンも愛した?
ナポレオン・ボナパルト
の時代、フランス料理文化はさらに発展。
マスタードは宮廷料理にも多用されました。
肉料理のソース文化と共に、マスタードは“ヨーロッパ料理の基礎”になっていきます。
アメリカで“ホットドッグの友”へ
19〜20世紀になると、ドイツ移民たちがソーセージ文化をアメリカへ持ち込みます。
そこにマスタードが合体。
こうして、
ホットドッグ+マスタード
という黄金コンビが誕生しました。
特に黄色い
イエローマスタード
は、アメリカ文化の象徴的存在になります。
日本にはいつ来た?
日本では洋食文化とともに明治時代以降に普及。
しかし実は日本には昔から、
“和からし”
文化がありました。
つまり、
• 洋のマスタード
• 和のからし
は“親戚”のような存在なのです。
おでんや納豆にからしを使う文化も、日本独自に発展しました。
なぜ世界中で愛されたのか?
マスタードが強い理由は、
① 保存が効く
② 肉と合う
③ 少量で味変できる
④ 香りが強い
から。
つまり“昔の食生活”と非常に相性が良かったのです。
実は歴史を動かした調味料?
大航海時代以降、香辛料は莫大な価値を持ちました。
マスタードもまた、
• 香辛料交易
• 食文化
• 宮廷料理
• 保存食文化
と深く結びついています。
単なる脇役調味料ではなく、
“世界の食文化を支えた存在”
だったのです。
今日のホットドッグにも古代ローマが繋がっている
現代人が気軽にかけているマスタード。
しかしその背景には、
• 古代ローマ
• 中世騎士
• フランス宮廷
• アメリカ移民文化
など、壮大な歴史があります。
次にホットドッグを食べる時は、ぜひ思い出してみてください。
その黄色いソースには、
“2000年の歴史”
が詰まっているのです。
参考文献
• 『香辛料の世界史』山川出版社
• 『食の世界史』岩波新書
• 『フランス料理の歴史』白水社
• 『スパイスと人類』河出書房新社
• 『図説 ヨーロッパ食文化史』講談社
