サッカーW杯のダークホース!モロッコとはどんな国?知られざる歴史と“戦士の国”のルーツ
近年のサッカー界で、
世界を驚かせた国のひとつが
モロッコです。
特に2022年W杯では、
アフリカ勢史上初となるベスト4進出を達成。
スペインやポルトガルを破り、
世界中のサッカーファンを熱狂させました。
では、
この“ダークホース”モロッコとは、
一体どんな歴史を持つ国なのでしょうか?
実はモロッコは、
ヨーロッパ・アフリカ・イスラム世界が交差する、
非常に奥深い歴史国家なのです。
モロッコは「アフリカの入口」だった
モロッコは、
アフリカ大陸の北西端に位置します。
目の前にはジブラルタル海峡。
つまり、
スペインとは海を挟んでわずか十数kmしか離れていません。
そのため古代から、
• アフリカ
• ヨーロッパ
• アラブ世界
を結ぶ“文明の交差点”として栄えてきました。
先住民ベルベル人の国
モロッコの歴史で欠かせないのが、
ベルベル人(アマジグ人)です。
彼らは北アフリカに古くから暮らしていた民族で、
ローマ帝国以前から存在していました。
勇敢な騎馬民族として知られ、
山岳地帯や砂漠地帯で独自文化を築きます。
現在のモロッコ文化にも、
• 独特な模様
• 音楽
• 建築
• 遊牧文化
など、
ベルベル文化が色濃く残っています。
7世紀以降、
イスラム勢力が北アフリカへ進出。
モロッコもイスラム化していきます。
その後、
モロッコ王朝は急速に勢力を拡大し、
一時はスペイン南部まで支配しました。
特に有名なのが、
レコンキスタの時代。
イスラム勢力とキリスト教勢力が数百年争ったこの時代、
モロッコ系王朝はイベリア半島で重要な役割を果たしました。
つまりモロッコは、
“ヨーロッパ史にも深く関わった国”なのです。
モロッコには、
中世イスラム都市の姿を残す街が数多く存在します。
中でも有名なのが
フェズ。
ここには世界最大級の旧市街(メディナ)が広がり、
細い路地が何本も入り組んでいます。
革なめし工房、
香辛料市場、
モスク、
職人街――。
まるでRPGの世界のような景観から、
世界中の旅行者を魅了しています。
19〜20世紀になると、
ヨーロッパ列強がアフリカへ進出。
モロッコもフランスとスペインの保護領となりました。
しかし、
第二次世界大戦後、
独立運動が激化。
1956年、
ついにモロッコは独立を果たします。
現在も王制が続いており、
北アフリカでは比較的安定した国家として知られています。
なぜモロッコはサッカーが強いのか?
モロッコ代表の強さの背景には、
“移民文化”があります。
実は多くの代表選手が、
• フランス
• オランダ
• ベルギー
• スペイン
などヨーロッパ育ちです。
さらに、
モロッコ人の団結力や家族愛は非常に強く、
W杯でも「家族を抱きしめる選手たち」が話題になりました。
モロッコ代表の愛称は
「アトラス・ライオンズ(アトラスの獅子)」。
これは国内を走るアトラス山脈と、
かつて北アフリカに存在したライオンに由来します。
まさに、
歴史と誇りを背負った名前です。
W杯での粘り強い守備や、
最後まで走り抜く姿勢には、
砂漠と山岳地帯で生き抜いてきた
モロッコの歴史が重なって見えるのかもしれません。
参考文献
• 私市正年『モロッコを知るための65章』明石書店
• 宮治美江子『イスラム美術』岩波新書

